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心の中の怪物について

理性と欲望

得体のしれない怪物が心の中に住み着いていて、それが私に絶え間なく暴力をふるうのだとすれば、私には勝ち目はきっとないだろう。しかし、その怪物の正体を見極めることは私にはできるのではないだろうか。そのことで、問題が胡散霧消するわけではないとしても、現実は少しも変わらないとしても、そのとき私はそこに光を見出すことができるだろう。現実は暴力的だ。この圧倒的な暴力に晒されながら、自分を律することができる人はまず存在しないだろう。理性は結局は自分の無力を思い知らされるだろう。しかし、認識の努力を怠らないことは理性にはできる。理性には自分を脅かすものの正体を見極めることができるはずであり、この精神的態度こそが、勇気であり、克己節制なのではないだろうか。