徳と習慣

自己を確立させるため必要なのは、外的な幸福ではなく、徳である。しかし、このことを本当に認識することは難しい。たとえば、「過度の飲食は避けるべし」といっても、これを抑えようとすると、とたんに反論や例外を申し立てる無数の言論が発生する。その一つ一つについて吟味し、真に納得するのでなければ実行は難しい。このことは実践において試される。ただ、よい習慣を身に着けることだけが、これらの問題を解決し得る。そして、よい習慣を身に着けるには、環境を選ぶことが肝要だ。実践的な場面では、何が通用するのかしないのか、何が良い習慣かそうでないかを判定することは比較的容易であるから。